madrasがヴィブラムソールを選ぶ理由

現代のシューズはハイテク化が進んでいるのを知っていますか?
毎日何げなく履いているシューズですが、実は見えないところにハイテク機能が使われています。
madrasでは履きやすさを向上させる機能の1つとして、ヴィブラムソール&リフトを採用。
今回はヴィブラムソールの優れたパフォーマンス性と、今シーズン採用しているモデルを紹介していきます。

そもそもヴィブラムソールってなんだろう?

ヴィブラムソールとは、イタリアに本社があるヴィブラム (Vibram) 社が製造しているソールを指します。1930年代に登山ブーツ用ソール開発から始まり、80年以上の歴史を誇り、多くの有名靴メーカーから信頼を獲得しています。通常のシューズの場合、靴メーカーがアッパーとともにソールを自ら開発・製造する場合も多いですが、靴を熟知した上で設計されるヴィブラムソールはスペシャルな存在。業界内でもオンリーワンともいえるパフォーマンスの高さと信頼性から、各ブランドから特別オーダーを受け、共同開発を行っています。現在では登山ブーツ用だけでなく、ワーク用、タウン用、スニーカー用、ビジネス用など、あらゆるカテゴリーにも対応しています。

現在のヴィブラムソールは豊富なデザインと高い品質 (優れた機能性) が特徴。できあがったサンプルは、テストセンターで10項目以上の試験を受けます。またアルプスの山々や、激しい環境など、そのシューズが実際に使用されるシチュエーションでテストを行い、合格したソールのみが品質認証を受け商品化されます。

世界最高峰の山に挑む登山家たちから愛される
ヴィブラムソール誕生の秘話

ヴィブラム社の創業者はヴィターレ・ブラマーニ (Vitale Bramani) 。登山が大好きで、イタリアのアルペンクラブのガイド兼メンバーでした。その彼がソール専門メーカーを作るきっかけは、登山における事故からでした。

彼を含む7人のメンバーが1935年にマウント・ラシカを登山中に激しい吹雪と霧に襲われ遭難。彼以外の6人の仲間を失いました。1人生き残った彼は、事故の一因は登山ブーツのアウトソールだと考え、新しいアウトソール開発に望みました。当時のブーツはスムースレザーの革底にすべり止めのための鋲が打ち付けられたモノでした。

ヴィターレ・ブラマーニが新しく開発しようとしたのが、1839年にチャールズグッドイヤーが発明したゴムの加硫法 (valcanised rubber)を 用い、当時タイヤなどに使われ始めたゴム底のソール。防水性、耐久性、そして快適性に優れ、ゴムの特性を生かしグリップ性をも兼ね備えたトレッドパターンタイプでした。

タイヤメーカーであるピレリの協力も得て、1937年ヴィブラム社を創業し、Carrarmato (戦車の意味:通称タンクソール) と名付けられたトレッドパターンの世界初のラバーラグソールを発表しました。当時の最先端素材で作られたラバーソールは登山家の間で有名となり、多くの登山家に愛用されるようになりました。

1954年7月31日、イタリアの登山チームがエベレストに次ぐ世界第2位の高さのK2の初登頂を達成。イタリアの登山チーム登頂の際に履いていたのは、ヴィブラムソールを搭載したブーツでした。そのことがきっかけとなり、ヴィブラムソールの名声は世界中に響き渡りました。

ヴィブラム社の開発の歴史

1945年 ヴィブラム初の製造工場がイタリアのアルビッツァー
     テに誕生。
1967年 安全靴用のソールを開発。
1969年 ヴィブラム社の黄色のシンボルロゴが誕生。
1984年 快適性と軽量性に優れた「EvaFlex」を開発し、ファッ
     ション業界に参入。
1988年 ヴィブラム グリップの開発。
1989年 高耐性で従来のゴムより30%軽い発泡ゴム素材のヴィ
     ブラムGUMLITEを開発。
1991年  軽量で、衝撃吸収に優れたPU (ポリウレタン) インナ
     ーソールと、PUウェッジを使用したトレッキング用
     のポリウレタン製インソールを開発。
1994年 最大30%の廃棄物と天然資源材料の削減を可能にした
     ヴィブラム エコステップを導入。
1995年 ゴム内部に剛性物質を組み込んだ登山用のソール、
     ヴィブラム CLUSAZ RIGID SYSTEMを開発。
1999年 ヴィブラム テスターチームの発足。
2001年 生体力学に基づいた未来的なデザインのトレッキング
     用ソール、ヴィブラムモンスターを開発。
2007年 ヴィブラム テクノロジカルセンター設立。
2013年 安定性と柔軟性を併せ持ち、究極のグリップ力を備え
     た素材「MEGAGRIP」を開発。

ヴィブラムソールの信頼性

madrasではヴィブラムソールを適材適所で採用しています。

摩耗性やグリップ性、安定性、履きやすさなどの機能的な部分が最大の魅力ですが、
デザイン性を兼ね備えているのもヴィブラムソールを選ぶ理由です。

紳士靴のデザインを決める際にソールのデザイン性はかなり重要な部分です。
スタンダードに整えるのか、意外性を打ち出すのか、靴を生かすも殺すもソールなのです。

また、ひとつのヴィブラムソールを開発するのに相当な時間が費やされています。

イタリアにあるヴィブラム社の開発ルームや生産現場では、
デザインの際、水はけや接地面の計算を緻密に行い、その後ゴムの配合や形状の試験を何度も繰り返していきます。
例えば、氷の上で滑らないゴムの配合研究のために、実際の氷雪路面を再現してテストを繰り返します。
その後、角度を変えて斜面にし、より滑りやすい環境でまたテストを繰り返していきます。

さらに、完成に近づいたサンプルを契約アスリートに実際に着用してもらい、その意見を基に更に改良します。

量産開始後も、毎日ゴムの配合に問題が無いか、レシピ通りかなど検査を重ねます。

これらがヴィブラムソールの信頼の証です。

今シーズン採用した4つのタイプ

VIBRAM 耐摩耗性リフト

ビジネスシューズにヴィブラム社製リフトを使う理由は、まず耐久性を高めるためです。ビジネスシューズで、最も磨耗が激しいのがリフトで、交換需要が多いのがこの部分です。こちらのタイプは耐久性に加え、グリップ性が高いのが特徴です。

VIBRAM Vi-Lite

カジュアルシューズに採用しているのはVi-Lite。軽さと屈曲性の良さに加え、デザイン性にも優れています。今回はmadrasオリジナルとして、つま先部とかかと部分に硬質の素材を使用し、耐磨耗性を向上させています。

VIBRAM XS TREK

ドライビングスニーカーに採用しているのは、XS TREK。このソールはグリップ力が高いラバーを歩行線に埋め込むことで、街歩きに適したグリップ性と耐久性を高めています。

VIBRAM ICE TREK

スニーカーに採用しているのはICE TREK。ICE TREKはマイナス20℃でも硬化しない配合で作られており、耐久性に優れています。

SOTTILE
×
VIBRAM 耐摩耗性リフト

ヒール部分にヴィブラム社製のリフトを採用したモデル。ヴィブラム社製のリフトは耐摩耗性に優れ、サイドから後ろにかけて斜めに切れ目が入っていて、滑りにくい構造です。

2E設定のラストを使用したシリーズ『sottile』(ソッティーレ) のプレーントゥ。丁寧に塗りこんで仕上げるアッパーの表情に加え、ヴィブラム社製のリフト材を使い、デザイン性と機能性を併せ持つモデルです。
M2602/25,920円 (税込)

エレガントでシャープな足元を演出する『ソッティーレ』シリーズのロングノーズローファー。つま先まわりの独自のハンドフィニッシュによってマテリアルに独特な表情を生み出している。
M2604/25,920円 (税込)

スリムというイタリア語が語源の『ソッティーレ』 シリーズのロングノーズローファー。一見深みのあるブラックに見えるアッパーは、光の具合で青みを帯びたダークネイビーカラーが表れてくる。
M2604/25,920円 (税込)

MESH COMBI
×
VIBRAM Vi-Lite

軽さを追求した新素材のVi-Liteを使用して設計されたウェッジソール。通常、軽量なマテリアルだと耐久性に欠けますが、ヴィブラム社製のVi-Liteは耐久性に優れているのが特徴です。今シーズンは涼しげなメッシュ風アッパーのカジュアルシューズに採用。かかとには、高級感ある革の積み上げと硬質リフトを組み合わせ、madrasらしい独創性をプラス。

シーズントレンドのメッシュの型押しとスムースレザーを合わせた、メッシュコンビのキャップトゥダブルモンク。週末のジャケパンスタイルはもちろん、デニムとの相性も抜群。
M276/29,160円 (税込)

ボリューム感のあるラウンドトゥデザイン。クロコの型押しとメッシュの型押しのコンビで、足入れした時に包み込まれるようなフィット感が特徴です。ベロ裏にエラスティックゴムが縫い付けてあり、紐無しでも履けるので、2WAYで楽しめます。
M275/29,160円 (税込) 

ホワイト×ネイビーのメッシュコンビ サドルシューズ。モダンなデザインフォルムとエレガントさを併せ持っています。紐無しでも履けるように、ベロ裏にエラスティックゴムを装着。
M275/29,160円 (税込)

DRIVING SNEAKER
×
VIBRAM XS TREK

オリジナルソールにヴィブラム社製の『XS TREK』と呼ばれるタウンユース向けに開発したラバーを埋め込み、安定したグリップ力と耐久性、快適性を兼ね備えたソール。今シーズンはドライビングスニーカーに採用しています。

インパクトのあるクロコダイル型押のドライビングスニーカー。高級感のあるクロコ柄をあえて深みのあるカラーリングにすることで派手さを抑えたモデル。ドレッシーなスタイルから、カジュアルスタイルまで幅広いコーディネートが楽しめます。
M3303/22,680円 (税込)

涼しげなメッシュアッパーのドライビングスニーカー。トレンドの手刺しメッシュを採用。アッパーカラーは靴好きを振り向かせるような深みのあるアンティークブラウン。シーンによって表情が変えられるように、色違いの替え紐付きです。
M3304/23,760円 (税込)
*手刺しメッシュ・・・長細い紐状に切った革を手でメッシュ状に編んだ素材。

ノーブルなイメージのホワイトメッシュのドライビングスニーカー。スニーカーでありながら、モダンなフォルムとエレガントを併せ持つため、幅広い着こなしが可能。大人のモードスタイルから、きれいめカジュアルまで、シックな装いに。
M3304/23,760円 (税込)

BASIC SNEAKER
×
VIBRAM ICE TREK

ICE TREKはその名の通り、寒い地域で氷や雪で覆われた表面で比類なきグリップを誇ります。氷雪面でのグリップ力を最大限引き出すために開発された素材です。オリジナルソールの前方と踵部分のセンター部分に搭載されています。

GORE- TEX®SURROUND®フットウェアシリーズでサイドベント・システムを採用したスニーカー。ソールの内側に配した溝とソールの横孔が通路となり、底面部の通気性をキープします。配色パターンによって、複数のマテリアルを使い分けるデザイン性の高さにもこだわっています。
M903S/27,000円 (税込)

前述と同じM903Sモデルの色違い。アッパーの防水耐久性と高い透湿性に加え、ソールからも水蒸気を逃がします。 暖かいシチュエーションでもムレを逃がし、常に足をドライで快適な状態にキープします。
M903S/27,000円 (税込)

madrasが創業当初から最も大切にしているのは“本物の履き心地”の追求です。
それを実現するために日々進化し続け、今回紹介したヴィブラムソールを採用することもその1つです。

靴の特徴に合わせて設計されるヴィブラムソールは、
クルマでいうタイヤのように目立ちにくい存在ですが優れたパフォーマンスを発揮してくれます。

本当の履き心地の良さは実際に履いてみないとわかりません。
madrasが採用するヴィブラムソールのシューズ。一度体験してみませんか?

SNSでシェアする