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靴の素材について

皮と革の違い

動物の体からはいだ「皮」(原皮)は、そのままの状態にしておくと腐ってしまいますが、「なめし」という加工を行うことで、腐ったり変質したりしない状態になります。その加工を施したものを「革」と呼びます。

※皮革製品で使われる革のほとんどは家畜の皮ですが、それらは 食用の副産物であり、靴用に特定の皮を生産しているわけではありません。

なめし加工の種類

なめしにはいろいろな方法がありますが、現在使用されている主ななめし加工には、クロームなめし、タンニンなめし、コンビなめしなどがあります。

  • クロムなめし

    化学薬品を調合したクロム液を用いて、皮のタンパクであるコラーゲンの酸根と結合させる方法です。主に靴では甲材料のなめし加工として用いられています。

  • タンニンなめし

    一般に渋といわれる植物のタンニンによりなめす方法です。
    主に底材のなめし加工として用いられます

動物の種類による皮革のバリエーション

カーフ 生後6ヶ月以内の子牛の革。薄く、キメと繊維構造が最も細かく最上級の革とされています。
キップ 生後6ヵ月から2年くらいの中牛革。カーフについでキメが細かく、厚手で美しい上質の革。
カウ 生後2年ぐらいで出産を経験しているメスの成牛の革(2才以上を成牛といいます)。キメが滑らかで、厚くて丈夫。
ステア 生後3~6ヵ月の間に去勢したオスの成牛の革。厚手で銀面(表面)はカーフやキップより粗くなる反面、耐久性に優れています。
ブル 生後3年以上のオスの革。厚く丈夫でソール等に使用されます。
山羊 キッド 仔山羊(生後6ヶ月以内)の革。キメが細かくしなやかで羊より丈夫です。
ゴート 成山羊(生後6ヶ月以上)の革。キッドに比べやや粗めの表面です。
ラム 仔羊(生後6ヶ月以内)の革。キメが細かくしなやかで羊より丈夫です。
シープ 成羊(生後6ヶ月以上)の革。主に裏面をスエードとして使われます。
ピッグスキン 摩擦に強く通気性がある3つが一群となった毛穴が特徴。中敷、ライニングなどによく使われます。
ホースレザー やわらかくなめらか。ライニングや中敷に使われる。
コードヴァン 馬の尻部からとった繊維の細かい皮を使用した、ツヤがありとても丈夫な最高級革です。
鹿 ディアー やわらかく軽くてしなやかな革。植物油でなめした鹿革は「セーム革」と呼ばれ、水に濡れて乾いても硬くならない革です。
ペッカリー ペッカリー ピッグスキンのように三角形に並んだ毛穴が特徴。丈夫でやわらかく伸縮性がある。表面のツヤはあまりない。
カンガルー カンガルー 薄いのに丈夫でしなやかで軽い。表面はツヤがある。
爬虫類 ワニ 独特のウロコ模様が特徴。アリゲーター、クロコダイル、カイマンなどの皮が使われる。
トカゲ 独特のウロコ模様が特徴。リング、アグラ、ベンガル、オーバルなどの種類がある。
ヘビ 斑紋やウロコ模様の美しさが特徴。ダイヤモンドパイソン、アナコンダなどの種類がある。
ダチョウ オーストリッチ 羽を抜いた跡の丸い突起が並んだ模様が特徴。身体の一部にしかないため希少性が高い。柔軟性があり丈夫です。
オーストレッグ ダチョウの脚の皮。爬虫類に似たウロコ状の模様が特徴。希少性の高い高級素材。
サメ シャークスキン 独特のシボ感が特徴。頑丈で水に強い。
エイ スティングレイ ビーズのような細かい突起が散りばめられたように並んでいるのが特徴。スターと呼ばれる大きな突起がある。

加工の種類による皮革のバリエーション

銀付きの甲革 牛革の表面を銀面と言います。銀面は牛の成長度・種類等によって違ってきますが、子牛になるほどきめが細かくなります。その銀面のもつ皮、本来の風合い、すばらしい耐久性をそのまま活かしたのが、銀付き甲革とよばれています。

銀付き甲革には、できるだけ表面に傷のない良質の原皮が選ばれます。そしてクロームなめししたあと、ドラム の中で所定の色に染められます。銀面に塗る塗料も風合いを活かすためにあまり厚く塗りません。

ほとんど染料だけで着色をおこなう仕上方法を「アニリン仕上」と言います。

革本来のよさのでた銀付き革は、紳士靴・婦人靴・袋物・ベルト・時計バンドな ど広くつかわれています。
ガラス革 一般には成牛の原皮はクロムなめししたのち、ガラスまたはホーロー鉄板に張り付けて乾燥するところから「ガラス革」と呼ばれています。

このガラス張り乾燥 をおこなってから、革の表面をサンドペーパーでこすって、極く、薄い合成樹脂を塗って仕上げます。

銀付き革と違って一般に銀面はほとんどなくなっていますが、革の本質はかわりません。

丈夫でしかも手入れが簡単なことから、一般紳士靴・学生靴・カバン・スポーツ靴などに広 く使われます。
シュリンクレザー シュリンクは「縮む」という意味で、なめしの段階で特殊な薬品を使い、表面(銀面)を収縮させて細かいシワを出現させた革。カジュアルシューズに主に使用されます。
スエード(シルキー) 革の裏面をこまかいサンドペーパーでこすって起毛させたものです。主として牛革・山羊革・羊革・豚革などが使われます。スエードの場合は、毛足が短く柔らかな手触りのものが良質とされています。
ベロア 革の裏面を起毛させるスエードと同じ加工方法ですが、スエードより毛足が長く起毛がやや粗いのが特徴です。
ヌバック 革の銀面(表面)をバフして細かく起毛させ、ベルベットのような手触りに仕上げた革のことです。
バックスキン 本来は鹿革の表革を起毛させたもの。バックは「裏革」ではなく「鹿類」という意味。鹿革でなくとも、同様の加工がなされた革を「バックスキン」と呼んでいる場合もある。
エナメル革 「パテントレザー」ともよばれ、クロムなめしした革の表面をかるくバフし、油脂または合成樹脂を厚く塗って、鏡のような光沢をだした革のことです。革の伸縮によって塗料がはげたり、膜が割れたりしないものが良質とされています。
パール革 革の表面にパール塗料とラッカーを一緒に混ぜてスプレーで吹き付け仕上げた革。真珠のようなきらめきのある表面が特徴。
オイル革 ステア等の肉厚な革に、なめしの仕上げの工程で油脂などのオイル分を含ませた革。撥水性がありオイルのぬめり感があるのが特徴。
型押革 革の表面に型板をのせ高圧加熱プレスで、ワニ・オストリッチ・トカゲ・などある種の皮に類似したイメージを与えるために、模様を付けた革です。
ヌメ革 成牛革をタンニンなめししたもので、酵素を使用し繊維をほぐし、うすいタンニン液でなめしたものを「ヌメ革」と言います。
床革 クロムなめし・タンニンなめしを問わず、革の銀面層(表面)を漉(す)いてとってしまった残りの部分を言います。
型押ししてカバン用にしたり、床革をさらに漉いて、靴の先芯や月型芯に使ったりします。

天然皮革以外の甲素材

合成皮革 スポンジ状の塩化ビニルの表面にポリウレタン系またはポリアミド系の合成樹脂を塗布したものです。
お手入れが、汚れを水拭きするだけで簡単ですが、天然皮革に比べてムレやすい特徴があります。
人工皮革 基布に不繊布を、表面樹脂層にポリウレタ ンを使用して、肉眼では見えないような連続気孔があり、外観・性質・手ざわりなどを革によくにせたものです。合成皮革同様、お手入れが簡単で、天然皮革に比べて軽い素材が多いです。
代表的なものとして「クラリーノ」、また靴 ばかりでなく衣料用として「エクセーヌ」、「アマーラ」などスエードタイプのものも発売されています。

靴底の素材

大地と直接接触する部分であり、中底などと共に足の裏を保護し、衝撃などから足を守るとともに、歩行のさいの屈曲が容易で、しかも滑らず耐摩耗性の良いことが要求されます。

靴底の材料には革底のほかに、合成ゴム底・ラバー(またはクレープラバー)底・ポリウレタン底などがあります。

革底 今日のように合成ゴム底が普及するまでの靴底の材料は、大部分革でした。
現在では紳士靴・婦人靴とも高級品に用いられています。
わが国では主として、北米産のヘビーステアが原革として使われています。
革底として使用する場合、強度が要求されるため、皮の繊維の緻密なベンズ(首と腹部を除いた部位)の4~6ミリ程度の厚さのものが多く使われます。
合成ゴム底 合成ゴム底は基本的にはスチレン・ブタジエン・ラバー、ニトリル・ブタジエン・ラバーなどの合成ゴムと合成樹脂を主原料として、これに軟化剤・着色剤等の薬品を混合して、練り合わせ、加熱加圧したものです。 この原料や薬品を配合を変えることにより、種々の用途に応じた特性をだすことができます。
ウレタン底 ウレタン底はポリエーテルまたはポリエステルとポリイソンアネートと反応させた重合物ですが、これを発泡させたものが靴底として用いられています。

靴の製法について

主な底付け製法の種類と特徴

マッケイ製法

  • マッケイ製法とは、甲革と本底を直接ロックステッチ縫いにする製法です。靴の内側に縫い目があるため、水が浸入しやすくなりがちですが、本底に切り込みを入れて内側に縫込むことで、防水性を高めています。本底表側の斜めの切り込みは接着剤で閉じてあります。
    【特徴】
    履いた時に足になじみやすく、柔らかい革材料との相性が良いのが特長です。本底の厚みがないので屈曲性に優れています。
    甲革に直接、本底を縫い付ける製法のため、甲革の縫い目の穴が増えると強度不足になるため、オールソール修理は2回目以降は出来なくます。
    【製法】
    甲部周囲を中底につり込み、本底を仮張りしのちにくつ型を抜き、本底周辺部と中底を底縫機でロックステッチ縫いする製法です。

グッドイヤーウェルト製法

  • グッドイヤーウエルト製法で作られた靴は、普通コバが出ていて、出し縫い糸が見えます。中底のリブの作り方で、コバを出したり引込めたりすることが出来るので、必ずしも出し縫い糸が見えるとはいえません。
    その重厚な感じは、他の製法では真似ることのできない特長といえます。
    【特徴】
    構造的に丈夫で安定性があり、長時間の歩行でも疲れにくい。履きこむうちに中物が足の形状に合わせて沈み中底が変形するので、フィット感が高まります。また表底の取替えが簡単でオールソール修理が何回もできます。
    しかしその反面、メンテナンス 面で高くつくという不利な点や軽さや屈曲性でも限界があります。
    【製法】
    中底に作ったリブに、つり込んだ甲部周囲とウエルトとをすくい縫機で縫い付け、次に表底をかぶせたのち、ウエルトと表底周辺とを出縫機でロックステッチ縫いする製法です。

セメント製法

  • セメント製法とは、本底を製甲に接着したもので底縫い付糸はありません。 一般にはマッケイ製法のような感じを出したものが多くなっていますが、本底周囲に細革を付けたりした、厚底のグッドイヤーウェルト風の外見のものもあります。
    【特徴】
    製造工程が少なく、構造的にも簡単なため量産できます。また、軽く、屈曲性にとんでいます。現在の紳士靴の約70%、婦人靴の90%以上が、このセメント式によって作られています。
    【製法】
    甲部周囲を中底につり込んだのち、甲部周辺と表底周辺に接着剤を塗布し、圧着機で底付する製法です。

ステッチダウン製法

  • ステッチダウン製法とは、甲革を釣り込む際、中底の下側に折り込むのではなく、外側の中底上に出した状態で釣り込み、コバの部分で甲革・中底・本底をまとめて縫い付ける製法です。
    【特徴】
    主にカジュアルシューズに採用される製法です。軽量で屈曲性がよい反面、底付け部分の縫い目から水が浸入しやすいという欠点もあります。
    【製法】
    甲部周辺を外側につり込み、本底に貼り付けたのち、甲革と本底とを出縫機でロックステッチ縫にする製法です。

プラット製法

  • プラット製法とは、カルフォルニア製法とも呼ばれる製法で、甲革・ソックライニング中底・裾テープ等を縫い合わせて袋状にし、裾テープを外側に折り返してプラットホームと呼ばれる中底の裏側に巻き込み、本底を接着する製法です。
    【特徴】
    足に当たる中底に薄く柔らかい材料を使うため、足あたりに優れ、弾力性に富んだ履き心地です。
    【製法】
    甲部周辺とソックライニング中底・裾テープを縫い付けたのち、くつ型を中へさし込み、裾テープを中底に接着し、本底と裾テープとを圧着機で底付けする製法です。

ダイレクトインジェクション製法

  • ダイレクトインジェクション製法とは、成型された本底材料を甲革に底付けする他の製法と異なり、本底の成型と甲革との接着を同時に行う製法です。効率のよい製法で靴の量産には欠かせない製法です。
    【特徴】
    接着剤を使用した圧着による底付け方法よりも接着強度が高く、耐久性、耐水性に優れています。底材料の原液を型に注入して成型するので、複雑なデザインで多彩なカラーバリエーションの本底を作ることが可能です。ウォーキングシューズ、レインブーツに最適です。
    【製法】
    釣り込んだ甲部分を設置した本底の金型にポリウレタンなど本底材料の原液を注入し、本底の成型と甲部分との接着を行う製法です。

スティッチ&リターン製法

  • ダンスシューズに用いられる製法をもとにローズ・レペット氏により開発された製法。タウンシューズにも用いられている。
    【特徴】
    ダンス用、バレエ用として開発された製法なので、しなやかなフィット感と快適な履き心地があります。
    【製法】
    甲革と本底を縫い合わせる際に、通常の底付けと表裏逆で、底材の足に触れる側を外側に、地面に触れる側を内側にして縫い合わせた後、裏返す製法です。

甲革の特殊な吊り込み製法

モカシン製法

  • 甲部分の底付けの製法ではなく、甲部分の製法として、「モカシン」という製法があります。 通常の甲材を木型に上から被せて木型の下の中底と縫い付ける(接着する)釣り込みとは違い、木型の下を覆うようにして木型の上側で甲素材を縫い合わせる製法です。
    多くの場合は、マッケイ製法で本底と甲部分が縫い合わされます。
    この製法の甲の上側の縫い合わせのラインがU字形になることから由来して、製法ではなくU字形の縫い合わせのことをデザインの名称として「モカシン」と呼ぶこともあります。
    【特徴】
    足を足裏から包み込むような形状になるので、非常にフィット感がよく歩きやすいのが特徴です。

ボロネーゼ製法

  • 甲部分の底付けの製法ではなく、甲部分の製法として、「ボロネーゼ」という製法があります。 この製法は上記のモカシン製法を上下さかさまにしたような構造になります。甲材をライニングと同じようなやわらかい素材の中底と足裏側で縫い合わせた上で、本底と底付けする製法です。
    多くの場合は、マッケイ製法で本底と甲部分が縫い合わされます。
    「ボロネーゼ」というのは「ボローニャ(イタリア)の」という意味で、「ボローニャ製法」とも呼ばれます。
    【特徴】
    足を包み込むような形状になるので、非常にフィット感がよく歩きやすいのが特徴です。

靴の各部分・デザインの名称について

各パーツの名称

メンズ

ウィメンズ

基本的な靴のデザイン(ディテール)の名称について

靴のデザインには流行がありますが、代表的なデザインには靴の歴史伝統から来る性格・印象があります。TPOにあわせた靴選びのためにそれを知っておくことに損はありません。覚えておくことをおすすめいたします。

靴全体でのデザインの名称

フルブローグ

  • 内羽根ウィングチップで、爪先のメダリオンと靴全体の切り替えのラインのパーフォレーションなどの穴飾りがすべて入っているデザインのこと。

セミブローグ

  • 内羽根ストレートチップで、爪先のメダリオンと靴全体の切り替えのラインのパーフォレーションなどの穴飾りがすべて入っているデザインのこと。

サドルシューズ

  • 船員の靴から取り入れられたといわれるデザイン。爪先はプレーンで、アッパーの中程に馬の鞍(サドル)を置いたような革の切り替えがあるのが特徴のデザイン。このサドル部分の色や素材を変えてコンビネーションにしたデザインが多いカジュアルシューズ。

スリップオン

  • ヒモやバックルを用いずに着脱するタイプのシューズです。

    房飾りのついた「タッセル・スリッポン」、カジュアルな「ローファー」等、さまざまなデザインがあります。

ローファー

  • 「ローファー」とは「怠け者」という意味で、紐無しでスリッパのように簡単に履けることに由来する。

    アメリカンカジュアルシューズの代表的デザイン。

    コインの挟めるスリットがベルトに入っているものを、「コインローファー」、「ペニーローファー」と呼びます。また、ベルト部分にビット金具が付いたものを「ビットローファー」、タッセルが付いたものを「タッセルローファー」と呼びます。

    スーツに合わせて履く方もいらっしゃいますが、あくまでカジュアルシュースです。

ヴァンプシューズ

  • スリップオンの一種で、モカシンタイプで甲にベルトや飾りなどのないシンプルなデザインのシューズ。

    モカシンの縫い合わせのラインが靴の外側の低い部分を通って、履き口とのまとめ部分近くでせり上がってくるデザインのものは「コブラヴァンプ」と呼ばれます。

オペラパンプス

  • エナメルの甲革で甲に生地製のリボンの付いたフォーマル用のスリップオンシューズ。トップラインはリボンと同じ素材のテープで縁取りされている。

    オペラパンプス、レースアップシュースともにエナメルのフォーマルシューズは本来は夜の礼装用である。

    また、ファッションアイテムとしてデザインされたリボン付きスリップオンシューズのことを指して使われることもある。

チャッカブーツ

  • アンクル丈の外羽根プレーントウのブーツ。

    アイレットは2つが一般的。

    元はイギリスのポロ競技に由来するという説から名称が由来しております。

サイドゴアブーツ

  • 筒の両サイドにゴムを織り込んだ生地を挟み込んだブーツ。

    「アルバートブーツ」、「チェルシーブーツ」とも呼ばれます。

ジョッパーブーツ

  • 足首部分をバックルの付いたストラップを巻きつけ締めるタイプのプレーントウのブーツ。

    19世紀のイギリスで乗馬用に作られたと言われる伝統的なデザインです。

    足首を締めることで脱げにくくなり、異物が中に入ることを防ぐようになっています。

爪先形状の名称

  • ラウンドトウ

    • 爪先が円い形状のもの。ごく一般的なタイプ。

  • スクエアトウ

    • 爪先が四角く角ばった形状のもの。先端の幅が細いものを「ナロウスクエアトウ」、やや細いものを「セミスクエアトウ」と呼ぶ場合もある。

  • チゼルトウ

    • 上から見ると先端が狭めのナロウスクエアトウだが、横から見た時に爪先先端がノミ(チゼル)で削ったように斜めに落ちている形状のもの。。

  • ポインテッドトウ

    • 爪先が尖った形状のもの。

  • アーモンドトウ

    • アーモンドのように丸みがありながら尖り気味でもある形状のもの。ラウンドドウとポインテッドトウの中間。

  • オブリークトウ

    • 爪先の先端が中央ではなく親指側に寄っている形状のもの。基本的に丸みのある形状。足なりの形なので足に当たらず履きやすい。

フロント部分のデザイン

ストレートチップ

  • 爪先の革の切り替えがストレートになっているデザイン。「一文字」と呼ばれることもあります。

    爪先部分にメダリオン(穴飾り)があるものと無いもの、切り替えのラインにパーフォレーション(親子穴飾り)のあるものと無いものなど、さまざまなデザインがあります。

    英国調のクラシックなデザインで、もっともフォーマル、ドレッシーなデザインです。穴飾りやステッチの少ないものほどフォーマル度が高く、黒の内羽根ストレートチップは冠婚葬祭に最適なシューズです。

プレーントウ

  • 爪先に飾りのないデザイン。ストレートチップの次に無難なデザインで、場面を選ばずに幅広いシーンで着用可能。

    爪先部分にメダリオン(穴飾り)のあるものもあるが、無いものの方がドレッシーである。

    輪郭のシルエットがそのまま出るので、きれいな形状の木型(靴型)で作られたプレーントウは魅力がある。

ウィングチップ

  • 爪先の革の切り替えが、翼のような形をしているデザイン。ストレートチップと同様、爪先部分にメダリオン(穴飾り)があるものと無いもの、切り替えのラインにパーフォレーション(親子穴飾り)のあるものと無いものなど、さまざまなデザインがありますが、ウィングチップの場合は。

    穴飾りつきの方がほとんどです。 英国調のクラシックなデザインで、もともとカントリーシューズから由来しているデザインです。

ユーチップ

  • 甲の革の縫い合わせのラインがU字形になっているのが名称の由来のデザインです。モカシンの外見に似ているので「ユーモカ」とも呼ばれます。

    ドレスシューズの中ではカジュアル寄りのデザインなので、スーツだけでなくジャケットスタイルにも適しています。

    似たデザインで、アメリカの有名メーカーが作った「U」のラインの丸みが尖っていて「V字形」になっているデザインは「Vチップ」と呼ばれています。

スワールモカ

  • 甲の羽根の付け根から爪先にかけて、内側と外側に切り替えのラインが入っているデザイン。ユーチップの「U」の爪先部分を切って爪先側に流したような形状から「流れモカ」とも呼ばれます。

    伝統的なデザインではなく、比較的新たしく広がってきた流行のデザインです。

    外側だけにラインがあるデザインや、爪先部分で切り替えのラインが外側から内側に斜めに横切っていくデザインなど、派生した変形デザインも多くあります。

センターシーム

  • 甲の革の縫い合わせのラインがベロから爪先にかけて1本通ったデザインです。商品として多く流通しているわけではありませんが、カジュアルシューズのデザインとして定着したデザインです。

ウェスト部分のデザイン

内羽根(バルモラル)

  • 紐を通すハトメ穴のある羽根部分が爪先側で甲革本体にすべて縫い付けられていて、V字形に開く形状のもの。

    19世紀の中頃、イギリスのヴィクトリア女王の夫君、アルバート公がスコットランドのバルモラル城でデザインしたことが名前の由来といわれます。外羽根式の紐靴やその他のデザインより、フォーマル、ドレッシーなデザインです。

外羽根(ブラッチャー)

  • 紐を通すハトメ穴のある羽根部分が爪先側の中央では甲革本体に縫い付けられておらず、両端で縫い付けられている形状のもの。

    1810年、プロシア軍のブリュッヘルが軍靴用に考えたといわれています。イギリスでは「ダービー」と呼ばれています。
    羽根部分が左右に広がるので、甲高の足の方におすすめのデザインです。

モンクストラップ

  • 「モンク」とは修道僧のこと。彼らが履く靴にヒントを得てできた、大きめのバックルで甲のベルトを締めるデザインのシューズ。

    イギリスの伝統的デザインですが、紐靴にはない派手さがあり、かつスリップオンほどカジュアルではないので、ファッションアイテムとして使い勝手のよいデザインです。

ダブルモンク

  • モンクストラップのベルトが2本あるデザイン。

    多くの場合、甲を大きく覆う太いベルトから端の部分で2本のストラップが伸びて、それぞれに小さめのバックルが付くデザインが多い。

    モンクストラップ同様、ファッションアイテムとしての利用価値が高い。

主なディテールの名称

ビット

  • 馬具の「馬銜」を模して作られた装飾用の金具。

    主にローファーの甲ベルト部分に使われる。

    両端が大きな輪形状で中央の2つのパーツが小さい輪でつながっている美錠が本来のビットだが、甲ベルトに使われる装飾金具のことを指して使われることもある。

タッセル

  • タッセルとは房飾りのこと。それを甲の中央に飾り付けた靴の総称です。モカシンタイプをタッセルスリッポンと呼びますが、つま先にウィングチップをつけたウィングタッセルと呼ばれるものもあります。

キルト

  • 革を細く切ったフリンジのようなパーツ。

    もともとは”泥除け”の用途として使われていたが、現在は装飾パーツとしてデザインに使われている。

    だいたいは靴本体に縫い付けられているが、着脱可能なパーツとして付けられている場合もある。

    スコットランドの民族衣装であるキルトのデザインに由来している。

メダリオン

  • 爪先に施された穴を並べた飾りのデザイン。

ウィメンズ特有のデザイン名称

<パンプス類>

  • プレーンパンプス

    • トップラインが浅めで、紐やベルトなどの留め具が一切ついていない靴のこと。

  • オープントウ

    • 甲革の爪先部分の革が切り取られ、足の指先が外から見えるデザイン。

  • バックストラップ

    • 甲革のかかと部分が通常のカウンターではなく、ストラップ(ベルト)で足を固定するデザインのパンプスのこと。

  • セパレート(サイドオープン)

    • 甲革の足を固定する部分が爪先とかかとのみで中央部分が開いているデザイン。

<サンダル類>

  • サンダル

    • 甲革のかかと部分が通常のカウンターではなく、ストラップ(ベルト)で足を固定するデザインのパンプスのこと。

  • ミュール

    • 爪先部分は覆われ、かかと部分は留めるものが無く大きく開いたデザイン。オードリー・ヘップバーンが映画で着用し注目された。

<ブーツ類>

  • ブーティ

    • くるぶしより丈の短いブーツのこと。

  • ショートブーツ

    • 足首までの短い丈のブーツのこと。

  • ミドルブーツ

    • ロングブーツとショートブーツの中間の丈のブーツのこと。

  • ロングブーツ

    • ひざ下丈やひざ上まであるブーツのこと。

<その他>

  • カッター

    • ヒールの低いフラットな靴の総称。「バレエ」、「フラットシューズ」、「サブリナ」とも呼ばれます。

  • バブーシュ

    • かかと部分を折り踏んで履くタイプの低いヒールの履物のこと。

ウィメンズ特有のヒール形状の名称

  • プレーンヒール

    • 地面に向かって徐々に細くなっていく形で、特に細くもなく太くもなく特徴的な形状でもないオーソドックスなヒール

  • ピンヒール

    • ピンヒールとは、まるでピン(針)のように細くて華奢なヒールのこと。

  • フレンチヒール

    • フレンチヒールとは、一見ピンヒールと似ていて間違えられやすいですが、ピンヒールと比べてヒールの根元が太めなのが特徴。

  • セットバックヒール

    • かかとの後ろ付け根の部分から地面に向かってヒールが垂直に伸びている形状のヒール。

  • コーンヒール

    • アイスクリームのコーンのような円錐型で、地面に向かって細くなっているヒール。

  • ルイヒール

    • ヒールの付け根が太く中ほどがくびれ、地面に向かって太くなる曲線的な形状のヒール。

      ルイ14世がハイヒールを流行させた名残で確立したのがルイヒールです。

  • フレアーヒール

    • 基本は太いヒールで地面に向かってまっすぐ太くなっていく台形の形状のヒール。

  • チャンキーヒール

    • チャンキーとは「ずんぐりした・がっちりした」という意味で、チャンキーヒールは太くてしっかりとしたヒールのこと。

  • スクエアヒール

    • 角形にカットされていたり四角張ったヒールの総称。

  • フラットヒール

    • 2㎝以下の低く平らなヒールのこと。

  • ウェッジヒール

    • ウェッジはくさびのことで、横から見ると靴底全体がくさびを寝かしたように直角三角形のような形になっている形状のヒール。ウェッジソール、船底ヒールとも呼ばれます。

  • インヒール

    • 甲革がヒールまで覆っていて、外見からヒールの高さ・形状が見えない構造のヒール。

  • プラットフォーム

    • プラットフォームとは「台」という意味もあり、ホームや台のように一段高くして、全体的に厚くした形状のソール(ヒール)。「厚底」とも呼ばれ、爪先からかかとまで傾斜が無いのが特徴です。