madrasの神髄 クラフツマンシップの系譜

madrasの靴は、イタリアの伝統的な製靴技術を踏襲しながらも、
日本人の求める快適な履き心地と機能性、美しいデザインを追求し続けています。
今回はmadrasの靴づくりの神髄ともいえる、クラフツマンシップについて紹介します。

madrasの魅力を知るための 3つのキーワード

履き心地重視のフォルム

マテリアル・色の追求

伝統製法の継承と進化

以下では3つのキーワードについて掘り下げていきます。

日本の靴職人が作る履き心地重視のフォルム

madrasは、履き心地の良さと飽きのこない高級感のあるたたずまいを研究して作っています。作り上げたい靴のイメージを「忠実に再現できるか」。これは木型にかかっています。デザイナーはまず木型のシルエットのイメージを決め、基準となる足入れの設定数値に基づいて作製。長年培ってきたこの設定数値があるからこそ、木型が変わっても、常に足入れの良い靴が出来上がるのです。この木型があらゆる工程の基礎となり、型紙作製から中底・本底の設計まで影響します。手間をかけて出来上がったサンプルも、木型が良くないと、もう一度型紙から裁断、仕上げまですべてやり直し。そうならないためにも、木型の開発にはより時間をかけます。そうして出来上がった木型は「宝物」のように大切に扱われ、この木型を基に、次の工程へと進んでいきます。木型のフォルムに合わせたデザイン画が出来上がった後、木型に実際のスケッチを描き込み、それに基づいて型紙を作製。いかに巧みに木型を活かした型紙が作れるかはデザイナーの技量にかかっており、デザイナーは1mm以下の細部にまでこだわってデザインラインを考え、BESTなBASICを生み出します。

New Beak Toe Straight Tip

船の舳先(へさき)をイメージした独自のビークトゥラストを、さらに進化させたニュービークトゥの内羽根式ストレートチップ。木型や中底などベースとなる設計を徹底的に見直し、足入れの良さに加え、シルエットの美しさを追求したモデルです。つま先はトレンドに合わせ長さを控えたデザイン。アッパーはこのシリーズだけのために発注した国産キップレザー(※1)を採用。味わいのある表情になっています。
M2401 / 41,040円(税込)

※1 キップレザー:生後6ヶ月から2年くらいまでの牛からつくる革で、細かなキメと適度な厚みが特徴

ワンランク上のマテリアル・デザインを引き立てる 色へのこだわり

madrasはイタリアンテイストのブランドとして誕生。トレンドを意識したシャープで繊細な美しさを大切にしています。シルエットや形を引き立てるのに重要なのがアッパー素材。デザイナー自身がイタリアへ足を運び、靴のイメージに合う上質な革を探し出したり、国内では品質基準を熟知したタンナーと入念な打合せを重ねオリジナルの革を開発したりと、こだわっています。世界のトップブランドから注目されているイタリアの老舗タンナーの美しい革や、日本では再現できない微妙な色合いと透き通るような仕上がりの革など、それぞれの靴のテイストにふさわしい優れた革と色を、デザイナーの審美眼で見極めます。また、奥深い艶や微妙な色合いを醸し出す丁寧な仕上げを施し、コーディネートを邪魔せず適度な個性を放つ品の良いカラーコンビネーションを吟味することで、madrasらしい靴を作っています。

Round Toe Straight Tip

繊細なツヤ感に仕上がったストレートチップ。イタリアはINCAS社のスペシャルランクのグレージング(※1)カーフを採用。磨くほどに目が詰まり独特な光沢感を放つスペシャルなマテリアル。微妙なカラーコンビでイタリアンテイストのシックな表情を醸し出しています。ゆるやかなカーブを描くラウンドラストのシリーズで、大切なビジネスシーンのパートナーとしてお使いいただけます。
M252 / 30,240円(税込)

※1 グレージング:摩擦熱、圧縮等によって革の銀面を緻密にし、上品な光沢を出させる仕上げ

Bicolor Leather Sneaker

イタリアINCAS社製のカーフレザーを贅沢に使用したコンビスニーカー。熟練の職人が一足一足、幾度もの仕上げ工程を行い、madras独自のハンドフィニッシュによってマテリアルに独特な表情を生み出しています。アッパーサイドには風格のあるラウンドタイプのmadrasロゴ入り。少しカジュアルダウンしたスタイルにピッタリの一足です。
M255 / 31,320円(税込)

クラフツマンシップを継承する伝統製法と進化

madrasの靴は、イタリア靴の代表的製法であるマッケイ製法を中心に、ボローニャ製法やブラックラピド製法など、靴のフォルムやデザインテイストに合わせ、最適な製法で作製していきます。製法によって本底の厚みやコバの出具合などが異なり、靴全体のシルエットや重厚感・軽快感が左右されるため、デザイン要素としても重要ですが、靴の履き心地にも大きく影響します。madrasの作る靴は日本人の足に合った「より履きやすい靴」を目指して、伝統の製法を継承しながらも常に進化し続けています。

マッケイ製法
Mckay proces

イタリアを代表する伝統的製法。甲革と本底を接着剤で貼りつけた後、甲革を巻き込んでいる中底と、本底を縫い合わせた製法。シンプルな構造上、ソールの返りが良く、どんな柔らかい革でも靴にできる製法です。通常の製法以外にも、エレガントな本底のスタイルを崩さず、浸水しにくい「メス入りタイプ」や「かき伏せタイプ」などを採用。靴のデザイン性に合わせて使い分けています。履き込んでいくと足に馴染んでいき、包み込むような履き心地が特徴です。

ボローニャ製法
Bolognese process

靴の前部に柔らかいライニング(裏革)を袋状に仕立てることで、足を包み込むような履き心地が特徴の製法。madrasのボローニャ製法は日本人の足に合うようにテストを重ね、足入れしたときに心地良く、長時間履いても疲れにくいように独自のWクッションを採用し、低反発クッションと高反発クッションを組み合わせたことで、より快適な履き心地を実現。アウトソールはマッケイ・ミシンで縫いつけています。ネーミングの由来は、これが発明されたイタリアのボローニャ地方です。

ブラックラピド製法
Blake rapid process

ブラックとはイタリアでいうブレーク式、つまりマッケイ式の意味です。中底をマッケイ式で縫いつけ、さらに本底を出し縫いする製法。中底と甲革、裏革とコバとなる中板をマッケイ縫いで縫い合わせた後、そのコバとなる中板と本底を出し縫いで縫い合わせます。マッケイ製法の返りの良さと、グッドイヤーウェルト製法の耐久性を兼ね備えており、オールソール(靴底全体を張り替える修理方法)を簡単に行える製法としても知られています。

Chisel Toe Slip On

高級感漂うスリップオンシューズ。madrasオリジナルのボローニャ製法を採用しているため、足入れたした時に包み込まれるようなフィット感が特徴です。歩行時の突き上げ感を軽減するミディアムクッションと、履いた時にソフトな心地良さを与えるソフトクッションのWクッションシステム。アッパーは靴好きを振り向かせるような手塗り仕上げになっています。
M219 / 30,240円(税込)

Chisel Toe Straight Tip

高級感のある手塗り仕上げで、独特な表情を持つコンビのストレートチップシューズ。M219(上)と同様、Wクッションを採用したボローニャ製法で、リピーターにも好評。バルモラルタイプのストレートチップは、モダンなデザインフォルムとエレガントさを併せもつドレスシューズです。バルモラルとは、英国のヴィクトリア女王の夫君、アルバート公がスコットランドのバルモバル城でデザインしたことに由来します。
M218 / 30,240円(税込)

どんなに技術が発達しても、本格的な製靴、靴づくりの工程には必ず人の仕事が加わり、靴職人やデザイナー、ファクトリースタッフのこだわりがクラフツマンシップに繋がります。
madrasの魅力を知るための3つのキーワードとして「履き心地重視のフォルム」「マテリアルの追求」「伝統製法の継承と進化」を取り上げましたが、これらはmadrasのクラフツマンシップのごく一部です。今回紹介していない工程を含めmadrasの靴が出来上がるまでに一切の妥協はありません。

是非、madrasの神髄をご自身でお試しください。

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