2022/01/21
  • コラム

【コラム第10回】昔と今 革の話

革を取り巻く環境が変化していると聞きます。
 

品質価格は変わったのか。

何が理由なのか。

第10回はそんな革について

私の知る限りですが、お話しできたらと思います。


まず、品質について牛の飼育方法が変わったことが挙げられます。

現在はサシが入った脂身が多い牛肉が好まれる一方、

昔は赤身の牛肉が好まれ、広々とした牧草地で自然な飼育で育てられた牛が多かったそうです。

筋肉質に育てられた牛の皮は、キメが細かく良質であると言われています。

確かに、ヴィンテージシューズに使われている革を見ると肌理の整った品質の高いレザーを使っている印象があります。
(他にも革の品質について複合的な要因がありますが、私はこの理由付けが一番納得がいきました。)
 


画像はイメージ


次に価格について。

良質な牛革の産地であるヨーロッパの食肉文化の衰退による

原皮自体の減少が挙げられます。

高品質の皮が手に入れにくくなっている上、一部メゾンのタンナー買収もあり

革はその希少性を増しています


環境配慮による、鞣しに使う薬品の規制等も品質・価格ともに影響しているかもしれません。
(事実、2000年代前半に有力タンナーが法規制を理由に廃業しています)


ただ、この問題は文化の変化に起因するもので

受け入れるしかないように思います。

単純に昔の革の方がよかったとは結論付けられないでしょう。


少し話がそれますが、現在の靴は様々な手法でアップデート・モディファイされ

革質だけでなくその機能性を高め、価値を再定義しています。 (第6回で詳しく取り上げています。こちらからご覧いただけます。)

今も昔も、それぞれの魅力があります。


紳士靴は完成されたデザインと言われながらも今なお進化を続けています。

いつまでも革靴ライフを楽しみたいものです。


 

高品質素材の選定へのこだわり

本物だけが持つぬくもりや質感。また、天然素材ならではの弾力性や吸湿性。
それだけに素材選びには、マドラス100年の歴史が大きく差をつけます。
靴の生命ともいうべきアッパー(甲材料)については、

世界の市場から熟練のスタッフの厳しい審美眼、

マドラス独自の厳格な基準にかなった最良のものだけが選び抜かれています。
 

マドラスのクラフトマンシップは下記リンクからご覧いただけます。

■クラフトマンシップは こちら



  • 次回 1/28(金) 公開予定



参考文献:MUUZEO SQUARE 「みんなの”革靴の楽しみ方」シリーズ3回目
文章:広告宣伝部T