~はじめに~
革製品は、食肉用などの動物からお肉をいただく時に出る皮や
生涯を終えた畜産動物からいただいた皮を活用して作られています。
(なので革製品のために動物の命をいただいているということではありません。)
動物に感謝の思いを込めながら皮を無駄なく活用する事で、
焼却・廃棄される皮が削減され、エコでサスティナブルな取り組みにもつながります。
革はしなやかで丈夫、そして長持ちする天然の素材です。
今回はそんな自然の恵みを余すところなく使った
初めての方でもお手軽にできるレザークラフトをご紹介いたします。
道具も家庭にあるものや、100円ショップや手芸用品店で材料を集めて、
2時間程で作れるレザークラフトとなっております。
是非、世界に一つしかないオリジナルの革小物を作ってみませんか?
レザークラフトに興味を持っていただけたら下記の
1.『レザークラフトの手順』と2.『皮革素材について』をぜひご覧ください!
レザークラフト製作風景と作品の紹介記事はこちら↓
【コラム特別編】スタッフが体験!初めてのレザークラフト
インスタグラムでショートムービー公開中↓
1.レザークラフトの手順
①道具の準備


まずは本体となる革と道具と材料の用意をします。
作りたい物の型紙を用意します。
型紙を当てながら、目打ちのように少し先がとがっているもので革に線を引きます。
革につけた薄い線に沿ってカッターで裁断します。直線部分は定規を当てて真っ直ぐ切ります。
裁断した革の断面は凹凸があり、少しギザギザです。この凹凸を紙やすりで磨いて滑らかにします。
キーホルダーを取り付ける為に穴をあけます。まずは全体を見て、穴の場所を決めます。
穴をあけられたら、穴の部分を補強する為のハトメを付けます。付けるのは手芸店で入手した片目ハトメです。
革の内側と外側に綺麗に留められました。金具がゆるくて動いてしまう場合は、もう少しハンマーで叩いてみてください。
まずはボタンの下部品を取り付けます。ボタンの大きさを確認して、穴の場所を決めます。
ハトメの穴をあけた時と同じ手順で3か所に穴をあけます。この穴全てにボタンの下部品を取り付けます
革を折って3か所の穴全てにボタンの下部品を固定し、ボタンとセットの打ち具で固定しながらハンマーで叩きます。
道具と材料は作るものによってあわせて揃えます。今回は『キーホルダー付き小物ケース』を作ってみました。
≪今回用意したものと購入場所はこちら↓≫
・厚紙…型紙として使います
・ハンマー…金具等を取り付けるのに使います〈100円ショップ〉
・紙やすり〈100円ショップ〉
・カッター…革を切るのに使います
・ハサミ…型紙を切るのに使います
・カッティングボード…皮を切る時の下敷きです
・定規
・キーホルダーの金具とマルカン〈100円ショップ〉
・ドットボタン…衣類などによく使われる上下を組み合わせてとめるボタン〈手芸用品店〉
・打ち具のセット…ドットボタンを取り付ける為の道具〈手芸用品店〉
・目打ち…穴をあけたり、革に目印をつける道具〈100円ショップ〉
・ポンチ…革に綺麗に穴をあける為の道具、無くてもカッターや目打ちで作成可能〈手芸用品店〉
・ハトメ…革にあけた穴を補強したりするための金具、無くてもできます〈手芸用品店〉
・トコフィニッシュ…コバ(革の断面図)や床面(革の裏側)の毛羽立ちを押さえ、
滑らかで艶やかに仕上げる無色透明の磨き剤、必要であればご使用ください〈手芸用品店〉
紹介する小物ケースは色や形にこだわりが有ったので、
手芸用品店で販売しているボタンや道具を選びましたが、
100円ショップには工具無しで取り付けできる便利なボタンもありました。
②型紙を用意する
型紙はネット上に無料で公開されていたり、レザークラフトや洋裁などの本で紹介されています。
写真の型紙はポケットティッシュよりも一回り大きめの小物ケースをイメージして作ったオリジナルの型紙です。
厚紙のサイズは縦23cm、横31cmです。大体A4サイズの紙と同じくらいの大きさです。
切り取りする線はボールペンで書くと切り取り線として分かりやすいです。
型紙が書けたら線をなぞりながら厚紙をハサミで切ります。
③型紙あてて革に線を引き、裁断する
目打ちで線を引くと、写真の赤い矢印で指しているような薄い線ができます。
(※革に傷をつけたくない場合は「銀ペン」などレザークラフト用の道具がおすすめです。)
机に傷がつかないよう、必ずカッティングボードの上でカッターをご使用ください。
カッターで綺麗にできました。厚さ2mm程度の革なのでそこまで力を入れずに切れました。
④革の断面(コバ)を綺麗にする
紙やすりは200~400くらいの目の粗さを使いました。使用する革によって合わせるとよさそうです。
毛羽立ちが気になる場合はトコフィニッシュ(磨き剤)などを使用するとより滑らかな断面になります。
⑤キーホルダー用の穴をあけ、ハトメ(金具)をつける
革の輪郭に近すぎると穴が革からはみ出てしまうので、革の端から少し(3mm程)離します。
革の下に敷物(新聞紙など)を敷いてポンチを革に当てて、革に穴があくまでハンマーで叩きます。
今回は綺麗に穴をあける為にポンチを使いましたが、ポンチが無い時は目打ちやカッターを代用してあける事もできます。
革の表裏を見ながら金具で革をはさみ、ハトメとセットの打ち具で固定しながらハンマーを叩きます。
叩いていると、金具が丸まってしっかり革に留められます。
⑥革に穴をあけ、ドットボタンの金具をつける
革を重ねてボタンの部品をつける場合は、全体的にバランスが良くなる位置に目印をつけると綺麗に穴をあけられます。
こんな風にボタンの下部品を取り付けられました。革3枚分の厚みですが、しっかりついています。
今度はボタンの上部品をつけます。ボタンの位置付けたい位置にポンチで穴を1つあけて、
ボタンの上部品を革に通して打ち具で固定しながらハンマーで叩きます。
ボタンの上下の部品をそれぞれ取り付けられました。
⑤で取り付けたハトメにキーホルダーの丸カン(パーツとパーツをつなぐ金具)をあけて、ハトメに通して閉じます。
完成です!
⑦キーホルダーの部品をつける
今回のレザークラフトに使用した革は
「端切れ」や「靴にするには厚みや強度が足りない革材」の他に
「PARMA CALF(パルマカーフ)」を使用しました。
PARMA CALFはイタリアの中でも超一流のタンナーである
INCAS社の上質なベジタブルカーフの皮革素材です。
「PARMA」はイタリア語で「手のひら」を意味しており、
「手のひら」のような形状と「やわらかく」「あたたかい」イメージを。
「CALF」は生後6ヶ月未満の子牛の革の事で、
牛革の中でも希少価値が非常に高く、上質できめ細かな表面の質感が特徴です。
クラフトを体験したスタッフからも、
「革のいい香りがする。」
「きめが細かくてツヤが綺麗。」
と、声があがるほど質の高い皮革素材です。
革靴メーカーMADRASがおすすめする皮革素材を是非お手にとってみてください。
【取り扱いサイズ】
・横30cm×縦30cm(ZP-KW101)
・横20cm×縦29cm(ZP-KW102)
・横13cm×縦20cm(ZP-KW103)
簡単にできるレザークラフトをご紹介