マドラス madras 革靴の修理ってどうすればいいの?

愛着のある革靴を履いていれば次第に劣化していき、気がつくと踵やソール、履き口がボロボロになってしまいます。
そこで修理のタイミングを事前にしっておくことが重要です。
自慢の1足と長く付き合うための、修理のタイミングから方法、自宅でできるセルフケア術をレクチャーしていきます。
大切なシューズと末長く付き合うために、しっかりと覚えておきましょう。


公開日:2023年2月22日
最終更新日:2023年2月22日


目次
01|革靴は修理することで長期間履ける
02|革靴の修理の一般的な種類とは
03|革靴の修理が必用なタイミング
04|修理の依頼先を選ぶポイント
05|革靴を長く履ける状態に保つための習慣
06|修理の事例紹介
07|まとめ

〇革靴は修理することで長期間履ける


スニーカーとは違い、革靴は修理を繰り返せば一生モノにもなります。
ただ、修理をせずに履いていればありとあらゆるところがクタクタになってしまい、気がつけば修復不可能で
最悪廃棄することにもなりかねません。
そうならないためにも、適度なタイミングで修理することが長期間履けるコツです。
またリペアはサステナブルな面でも有効な取り組みのひとつなので、積極的に活用しましょう。


〇革靴の修理の一般的な種類とは


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ソールやヒールのすり減り、ライニングなど、どのディティールも履いていくにつれて消耗していきます。
そのまま放置しておくと劣化が進み、修復不可能な状態にもなりかねません。
そうならないためにも、消耗した部分を修理することで、長く履くことができます。
修理可能な部分は4つ。各ディティールをこまめにチェックして大事な1足と向き合いましょう。


・ソール


ソールは消耗品で、履いていれば自然とすり減っていきます。
特に営業や外回りが多いビジネスマンは、消耗スピードが早く進みます。
修理せずに放っておくと穴が空いてしまったり、最悪修理不可能なレベルにもなりかねないので、
早めに交換をしましょう。ソールの交換の際、ハーフラバーソールとオールレザーソール交換が可能で、
ハーフラバーソール交換はソールに薄いゴムを貼り付けるもので、雨の日にグリップ力が高まります。
一方でオールレザーソール交換は履いていくと足に馴染んでいき屈曲性が増していきます。
好みや革靴のデザインによって選びましょう。


・つま先の補強


ソール同様につま先のすり減りも履いていれば自然と進んでいきます。
ウェルト部分まで傷ついてしまうと、革靴全体の大がかりな修理が必用となってきます。
少し薄くなったらレザーパーツをつけて補強しましょう。また事前にトゥの摩耗を防ぐなら、購入直後に
ヴィンテージスチールをつけて対処することをオススメします。


・ヒールの補修


ヒール部分もソールと同じく、履いていればすり減っていきます。
交換のタイミングはラバーのトップピースが薄くなってきたら修理に出しましょう。
またラバーの下にあるレザー部分まですり減ってしまったら、レザー部分の積み上げ部分の交換も必要と
なってしまうので、早めの交換を。


・ライニングの補修


ライニング(革靴の内側)は靴の脱ぎ履ぎの繰り返しやソックスとの摩擦により、
徐々に薄くなっていき破れることもあります。
放っておくと芯材やアッパーにまで影響を及ぼすので、手で触り生地が薄くなってきたら、
シューリペアショップで補修してあげましょう。


〇革靴の修理が必用なタイミング

 
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・早めの修理が長く履くためのコツです!


修理のタイミングはディティールによってそれぞれ異なります。
一番消耗の早いソールは、どれくらいすり減っているかが見極めのポイントです。
ソールを手で触り、薄くなってきたと感じたら修理に出しましょう。
また穴が空いてしまった場合は、オールソール交換となります。
この場合は金額も高くなってしまうので、早めに対処しておきましょう。


・用途に合わせてソール交換を


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ハーフラバーソール、オールレザーソールの交換は靴のデザインに合わせてセレクトできます。
ハーフラバーソールは耐久性とグリップ力が高く、雨の日の滑り防止にもつながるので外回りの多いビジネスマンにオススメです。
一方でオールレザーソールは高級革靴で使われることが多く、ドレス性が高くシャープな足元にまとまります。


・ソールのすり減り具合で交換


マドラス madras 革靴修理 ソールのすり減り具合

ヒールの補修は、アウトソールとミッドソールを重ねたダブルソールのトップ部分が水平になっていますが、
内側または外側がすり減ってきたら交換しましょう。
1枚で形成されたシングルソールの場合も同様です。


・つま先が薄くなったら修理に出す


つま先のすり減りもしっかりチェックしましょう。ウェルト部分まで削れてしますと革靴全体に大掛かりな修理が必用になってきます。
少しでもすり減ってきたら先端部分にレザーパーツで補強しましょう。
またヴィンテージスチールで補強することもでき、革靴のデザインに合わせてセレクトすることもできます。


・ライニングは薄くなったら即修理


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革靴の内側で摩擦が避けられないカウンターライニング。
履いていくにつれて穴が空き、これを放っておくと革靴内部の月型芯やヒールまで傷つけてしまいます。
そうならないように、目と指で確認し、生地が薄くなっていたり糸がほつれてきたら早めに取り替えましょう。


〇修理の依頼先を選ぶポイント


マドラス madras 革靴修理 修理の依頼先を選ぶポイント

革靴の修理を依頼する先は、どこでもいいわけではありません。
でも、数あるリペアショップからどう探せばいいのかと悩むのも確かです。
その見極めポイントを紹介します。
「多くの革靴を修理してきた実績のあるショップ」、「ブランドお墨付きの修理工房」、「口コミ評判が高い」、
この3つを押さえたお店なら任せて安心です。


・修理実績が高い


多くのリペアショップでは、これまでに修理してきた実例をネットや雑誌で取り上げられています。
自分の革靴がどのような状態なのかを事前に連絡をして、その後持ち込むとスムーズにことが運べます。


・ブランドお墨付きの修理工房


有名ブランドが直接修理に出すショップは、そのお店を信頼しているという証拠なので、頼り甲斐があります。
また特定のブランド以外の修理も請け負ってくれる場合もあるので、購入時に一度聞いてみて確認しましょう。


・口コミ評判


修理を依頼した人の口コミ評価も参考になります。ネット検索では修理希望者がどれくらいの高評価をつけたか、
または満足感があったのか記載されています。そこをチェックしてから修理を依頼するのも選択肢のひとつです。


〇革靴を長く履ける状態に保つための習慣


・ブラッシングはメンテナンスの基本のき
 

マドラス madras ブラッシング

せっかく修理した革靴がすぐダメにならないためにも日々のメンテンナスは不可欠。
まずはブラッシングをしましょう。帰宅したら革靴専用のブラシで、アッパーについた汚れをしっかりと取り除く。
これだけで革靴は長持ちします。週に1度は靴専用クリームを塗ってアッパーの色落ちや細かい傷の補正を
することもお忘れなく。


また同じ革靴を2日以上履かずに休ませましょう。1日履いた革靴の内部には湿気が溜まっているので、
風通しのいい場所で保管しましょう。その際に、シューツリーを入れることで革靴についたシワを
伸ばすことができるので、見た目もキープできます。


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〇修理の事例紹介


リペアショップに持ち込まれた修理依頼を知っておくことも大切です。
どのような症状の革靴が実際にどのような工程を経て修理されたのか紹介していきます。
直せなくなる最悪の事態になる前に、修理をすることで大事な1足と長く付き合えます。
放っておかず、少しでも気になれば持ち込みましょう。


・レザーソールに穴が空いてしまった


レザーソールに穴が空いてしまい、ウェルト部分まで貫通してしまった、最悪のパターン。
こちらはオールソール交換となり、傷み具合により金額が異なります。
修理の際、レザーソールやラバーソールの交換が可能で、ハーフラバーソールは耐久性が高く、
レザーソールはドレス性が高いことを覚えておきましょう。
また、特殊なソールへの交換も可能なので、革靴のデザインによって相談してみるのもありです。


・ライニングがボロボロ


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革靴の脱ぎ履ぎの際の摩擦で、ライニングが徐々に薄くなっていきます。こちらも修理は可能で、
ライニングの交換での対処です。交換の目安はライニングを手で触り、薄くなってきたら修理依頼を。
ライニングのすり減りがひどい革靴を放っておくと、大きな修理が必用とされるので、早めに対処しておきましょう。


・つま先にクレーター(凹み傷)が


長くはいていると、つま先部分に凹み傷(クレーター)ができてしますことも。
この場合、軽いものであれば革靴と同色のワックスや補色用のクリームを塗れば目立たなくなります。
大きな傷の場合はプロに相談しましょう。凹み部分を埋めて、その上から色つけすれば目立たなくなります。
さらに大きな擦りキズの場合は、当て革補修をすれば修復できます。


・革靴がカビだらけ


梅雨時期に起こりがちなカビ問題。カビが一度でも飛沫してしまうと、完全に取り除くことは不可能です。
そうならないためにも、カビを見つけたらすぐオキシドール(市販のカビ取りでも可能)で拭き取り、早急に消毒しましょう。
こういった症状をできる限り避けるには、湿気がこもりやすい下駄箱よりも風通しの良い場所で保管を。


・サイズが小さくて履けない






革靴のサイズが小さい場合は、リペアショップに出しましょう。修理の工程は、レザーに柔軟剤を
塗ってからストレッチャーを使い革靴全体を伸ばしていきます。
ボールジョイントのみならポイントストレッチャーという器具を使い伸ばすことができます。
また革靴全体が小さい時は専用器具を使い、革靴全体に1週間以上の圧をかければ5mm程度伸ばすことが可能です。


・雨シミがついてしまった


急な雨が降り、放っておいたら革靴にシミが…。この場合は迷わず洗うのが効果的で、
レザー用シャンプーを使い革靴全体を丸洗いすれば、汚れやシミを落とし目立たなくさせることができます。
洗ったら2週間くらいの時間をかけて革靴全体を乾燥させます。
乾いた後はクリームで保湿することも大切。自宅でもできますが、プロに任せた方が失敗がないので
お店に持ち込みましょう。


〇まとめ


大切な革靴を長く愛用するなら、修理は不可欠です。
まだ大丈夫という安易な考えをなくし、少しでも劣化や消耗が気になれば、すぐお店に持っていきましょう。
修理をすることで靴自体の味わいも深くなり、オンリーワンな1足としての愛着も一層増すことでしょう。