革靴の種類には何がある?


公開日:2022年12月2日
最終更新日:2025年1月22日


目次
01|革靴の基本知識
02|革靴の種類別オススメのスタイリング3選
03|シーンに合わせた革靴の選び方
04|まとめ



01|革靴の基本知識


ビジネスマンが知っておくべき革靴の基礎知識
 

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【革の種類】


革靴・ビジネスシューズには質感のいい本革がおすすめです。
革靴・ビジネスシューズに使われる素材は、大きく分けると「本革(リアルレザー)と「フェイクレザー」の2種類があります。
近年は製造技術が進化して、本革とフェイクレザーの見分けがつかないものも多くなっています。
価格面や扱いやすさからフェイクレザーを使用した革靴・ビジネスシューズが増えていますが、
フェイクレザーはいくらお手入れしても経年劣化を避けられないのが大きな欠点。
その点、本革は修理をしながら長く履くことができるので、ビジネスシューズにはやはり
本革を使用した革靴・ビジネスシューズがおすすめです。
そこで、まずはおもな本革の種類を紹介します。


・牛革

革靴に使用されるレザーとして、最もポピュラーな革です。
同じ牛でも年齢や性別によってカーフ、キップ、ステアなど、名称が異なります。


・馬革

主に裏側として使用されるほか、甲革や中敷にも使用。
馬のお尻の部分はコードバンと呼ばれ、特に繊維が緻密で光沢が美しいこともあって、
高級品に使用されます。


・豚革

革の表面に毛穴が3つ見えるのが特徴。摩擦に強く、軽量で、通気性にも優れるため、
靴の裏革としてよく使用されます。


・羊革

毛穴が小さく、きめ細かく柔らかいのが特徴です。
子羊の革はラムスキンと呼ばれ、区別しています。


・山羊革

羊よりやや硬く、毛穴がきれいで繊維が緻密です。
また、耐摩耗性に優れているという特徴があります。


・カンガルー革

丈夫でしなやか、かつ軽いという特徴があります。
ビジネスシューズのほかに、サッカーシューズなどにも使用されます。

 



【つま先の種類】


革靴の個性はつま先のデザインで決まる!
革靴には多くのデザインの種類があり、その一つひとつに服装やシーンに適したキャラクターがあります。
特につま先の形(デザイン)によって、靴の個性が際立ちます。
そこで、ビジネスシューズに適したつま先の種類について解説します。​​​​​​


・プレーントゥ 【MODELLO DM2802G】
 

プレーントゥ革靴


甲やつま先に装飾やステッチが施されていない、シンプルなデザイン。
見た目がシンプルなために、革の質や靴自体のフォルムの良し悪しが表れやすいのが特徴です。
カジュアル、フォーマルのどちらでも使用することができます。


プレーントゥシューズ一覧はこちら


・ストレートチップ 【madras M600MT】
 

ストレートチップ革靴画像

 

甲からつま先にかけた部分に、切り返しの線が入ったデザイン。
切り返しのおかげでつま先に皺が付きにくいため、美観を保ちやすいというメリットがあります。
革靴・ビジネスシューズの基本となるデザインで、冠婚葬祭に最も適していると言われています。
つま先にキャップを被せているように見えることから、「キャップトゥ」とも呼ばれたり、
横一文字の縫い目部分に穴飾りが施されている場合は「セミブローグ」と呼ばれたりします。


ストレートチップシューズ一覧はこちら


・ユーチップ 【MODELLO DM8202】
 

ユーチップ革靴


U字型のモカシン縫いでアッパーを縫い合わせたもの。
そのため「モカシン」、あるいは「Vチップ」と呼ばれることもあります。
革靴・ビジネスシューズとしてはカジュアルな印象が強いですが、服装に合わせやすく
汎用性の高い靴でもあります。縫い目がV字に近くなるほどつま先がシャープになるため、
ドレッシーな印象になります。



ユーチップシューズ一覧はこちら


・スワールモカ 【MODELLO  DM1510A】
 

スワールモカ革靴


甲からつま先にかけてのステッチがUチップのようにつながっておらず、
つま先に流れているデザイン。
カジュアルさが強いため冠婚葬祭に向いていませんが、その代わりにカジュアル&ビジネスの
両面で使用できるメリットがあります。



スワールモカシューズ一覧はこちら

 



【内羽根と外羽根の違いについて】


内羽根革靴   外羽根プレーントゥ革靴


羽根のデザインが革靴のキャラクターを決める!
ほとんどの革靴は「紐靴」に分類され、紐を通す穴が並んだ革の部分をレースステイ、日本語では羽根と呼びます。
革靴は「羽根(レースステイ)」のデザインによって印象が変わり、それによって適した服装・シーンも変わってきます。
「内羽根」は羽根が甲の部分と一体、もしくは甲の前分部の革に入り込んでいるパターンの靴のことです。
上品で落ち着いた雰囲気がり、エレガントかつフォーマルな印象が強く、一般的には冠婚葬祭や室内勤務に適しています。
「バルモラル」と呼ばれることもあります。
一方、「外羽根」は羽根が甲の上に乗っているようなパターンのこと。
羽根の部分が全開になるので靴の脱ぎ履ぎを素早く行うことができることもあって、狩猟や屋外労働などに用いられてきました。
「スポーティさ」「軽快感」といった、比較的カジュアルな印象を与えるのが特徴です。
「ブラッチャ―」と呼ばれることもあります。

 



【デザインの種類】


革靴は一般的なレースアップ(紐付き)のデザインが多いですが、レースアップ以外にもデザインがあります。
職種、好み、足型等に合わせて自分にあうデザインを履くことも革靴を楽しむ醍醐味です。
以下にレースアップ以外で人気のデザインをご紹介します。



・モンクストラップ 【 MODELLO DM2803G】
 

モンクストラップ革靴


その名が示すとおり、モンク(修道僧)が履いていたくつが起源。
ストラップとバックルで甲の部分を締めて固定する短靴のことです。
ストラップが2つある場合は「ダブルモンクストラップ」と呼ばれます。



モンクストラップシューズ一覧はこちら


・ローファースリッポン 【 madrasWalk MW8004】
 

ローファースリッポン革靴


紐や留め具のないスリッポン式で、簡易的に脱ぎ履ぎができることもあって、
ローファーには「怠け者」という意味があります。
U字型のモカにコインストラップという飾り紐がついていることが特徴で、
またアッパー部分にタッセルと呼ばれる房飾りやビットと呼ばれる金属アクセサリーが付いたものもあります。



ローファー・スリップオン一覧はこちら


 



【靴底の種類】


ビジネスシーンや用途に合わせて靴底を選べるのも革靴の特徴です。
革靴=ドレスシューズの底は「革底」が定番ですが、実は革靴の靴底にはいろいろな種類があります。
大きく分けると「レザーソール」「合成ゴムソール」「ラバーソール」の3タイプあり、
さらにラバーソールは「ダイナイトソール」「リッジウェイソール」「ラグソール」「クレープソール」「スポンジソール」
等があります。
ビジネス用ではフォーマルユースを考慮してレザーソールが望ましいですが、デスクワークよりも屋外勤務(営業など)が多い場合には
耐久性や歩行性を優先して合成ゴムソールやラバーソールの方が向いています。

 

レザーソール革靴 ラバーソール革靴


 



【革靴のパーツの名称】 


革靴を​​​​選ぶ際に覚えておくべき必須用語
革靴にはさまざまなパーツが組み合わされて、一足の靴に仕上がっています。
その名称を知っているとお店で靴を選ぶ際、お店のスタッフとお気に入りの一足を見つけることができます。

 

プレーントゥ革靴のパーツ紹介画像


・トゥ/つま先周辺のこと。
・ヴァンプ/トゥの後方。甲の革のこと。
・クォーター/踵と側面を覆う革。腰革。
・カウンター/踵を包む補強部分。
・ヒール/踵のブロック状の部分。
・レースステイ/靴紐の穴がついた革。羽根。
・タン/レースステイの内側にある、紐靴から足の甲を保護する革。
・アイレット/靴紐を通す穴のこと。

・コバ/ソールやヒールの側面の部分
・アッパー/ソールの接合箇所より上の本体部分のすべてのこと。
・ライニング/靴の裏地のこと。踵部分はカウンターライニングとも呼ぶ。
・バックステー/踵の縫製をカバーするパーツのこと。
かんぬき止め/レースステイの最下部にある補強パーツ。
トップライン/履き口の最頂部のこと。

 



02|革靴の種類別オススメのスタイリング3選


1.王道ストレートチップはシンプルにビジネススーツに合わせるのがベター

ストレートチップ革靴スタイリング画像

黒のストレートチップは冠婚葬祭にも適している最もフォーマルなデザインの為、
服装もシンプルな無地スーツやセットアップがオススメです。
スーツにネクタイも良いが、タートルネックにあわせて着ると大人な雰囲気です。

2.ドレス感が強くなるホールカットは茶色を選び品よくドレスダウン

ホールカット革靴スタイリング画像

1枚革で仕立てられたホールカットの革靴は茶色を選ぶことでワンランク上の大人な着こなしに。
チャコールグレーのスラックスにベージュのコートを合わせることで爽やかな印象になります。

3.ネイビージャケット×チノパンの定番コーデには黒のプレーントゥ

プレーントゥスタイリング画像

定番となったネイビー×ベージュのアイビーライクな着こなしは足元を黒にすることでぐっと締まります。
ビジネスにもカジュアルにも合わせやすいのがプレーントゥの良い所です。


 



03|シーンに合わせた革靴の選び方


シーン別・失敗しない革靴選び


・シーン1:ビジネス

仕事では年上の上司や大事なクライアントと対面しなければいけないため、
あまりにカジュアルなイメージの靴は避けた方がいいでしょう。
つま先のデザインはストレートチップやプレーントゥであれば問題はなく、
黒をメインとしてそのほかに茶色を持っていればほぼカバーできます。
またウィングチップやモンクストラップでも黒であれば、ネイビーやグレーのスーツに合わせることができます。
仕事柄、毎日スーツを着なければならないのであれば、今お薦めしたタイプを揃え、
スーツの色や柄に合わせてコーディネートすると、1週間の着回しができるでしょう。
スエード素材とUチップの靴はカジュアル度が高いので、ビジネスシーンには不向きなので要注意!


・シーン2:リクルート
 

リクルートのシーンでは相手に与えるイメージが最も肝心です。
ですので、革靴選びにも相応な注意が必要。
特に面接の時には対峙した面接官はあなたの服装を厳しくチェックしますし、
4~5人一緒の場合は他の人と比較するからです。
そんなシビアなシーンでまず間違い無いのは、内羽根式のストレートチップです。色は黒!
もしくは装飾が一切無いプレーントゥでもいいですが、必ず紐靴であることが鉄則。
カジュアルな印象を与える茶色、ステッチが目立つウィングチップはNGです。
また、面接官は靴の汚れや傷みもチェックするので、就職活動中はこまめなお手入れが必要です。


・シーン3:結婚式
 

華やかなシーンとは言え、会場には目上の方もたくさん出席しているので、あまりにカジュアル&派手な靴は避けるべきです。
披露宴=パーティと勘違いし、メダリオンのようなつま先に穴が空いているデザインの靴はNG。
また、スピーチを頼まれている場合は、なおさらきちんとした印象の靴を履くべき。
最も適しているのは、紐付きのストレートチップで、色は黒です。
動物の皮や毛を強く印象付けるものは「殺生」に通じるため、結婚式では縁起が悪いとされているからです。


・シーン4:お葬式


お葬式は結婚式よりもルールが厳しいので要注意。
クロコダイル革(柄も)の靴は結婚式と同じく「殺生」に通じるので絶対に避けなければいけません。
また、エナメルのような光沢のある素材もNGですし、
モンクストラップのようなメタルの飾りが付いた靴やショートブーツも相応しくありません。
お通夜・お葬式・法事法要に履いて良いのは、内羽根式のストレートチップ、それも黒色のみと思っていいでしょう。


 

シーン5:パーティ


華やかなパーティは華やかな革靴を履きたいもの。
ただし、格式高いホテルなどで行われる場合は、フォーマルシーンであることを意識した靴選びが必要です。
ストレートチップやプレーントゥの黒い革靴であれば、どんな場所&雰囲気のパーティにも合わせることができます。
ただし、レストランのようなカジュアルな場所でのくだけた感じのパーティであれば、
ローファーやウィングチップをスーツの色や柄に合わせるといいでしょう。
ドレスタッセルなどで華やかさをプラスしてもOK。

 



04|まとめ


靴の種類やつま先のデザイン、各パーツの名称など、靴の基礎知識はいかがでしたでしょうか。
革靴選びの参考にしていただき、革靴ライフをお楽しみください。