2022/02/04
【コラム第12回】カントリースタイル
アメトラ・アメカジ復権の傾向は過去コラム回でも度々触れていますが、
ブリトラ好きの筆者としましては世間がアメリカなら私はイギリスだと
英国カントリースタイルに回帰しています。
カントリースタイルとは、田舎的などこか懐かしい雰囲気で、
田園生活や野山を散策したりする風景を想像いただければそのイメージ通りの
スタイルのことです。
イギリスは湖水地方を訪れた時のことが思い出されます。

ファッションで言えばツイード、フランネルのジャケット。
縮絨ウールのコートやざっくりとした編み地のニットがラインナップされます。
靴で言えば、ブローキングやメダリオンの施された
ブーツ・シューズでしょうか。
素朴でクラシックな顔つきが魅力的です。
ディテールですと、カントリーカーフにストームウェルト
ダブルソールにドッグテール。
当然のようにオールアラウンドグッドイヤーウェルトとなります。
パイピングもあれば申し分なしといったところでしょうか。
こちらのシューズは昨年のマイベストバイにもランクインした
英国王室御用達ロイヤルワラント獲得ブランド
『Loake』
のダービーシューズ、
モデル名は
『Perth』
。
外羽根プレーンでややドレス寄りではありながらも、
上記ディテールを備えており、これぞ英国カントリーを体現したような1足で
とても気に入っています。
ディテールを見ていくと、まずはアッパーのカントリーカーフ。
カントリーカーフといえば某英国ノーザンプトンのシューズメーカーか
某米国シカゴのシューズメーカーが反射的に思い浮かびますが、
この
Loake
は前者のカントリーカーフを意識しています。
カントリーカーフとは、穀物または種の様な型押しとワックスで仕上げた革で
シボ
がはっきりとしていて、自然な色艶で小傷に強いのが特徴。
このLoakeに使用されているレザーも質感・表情豊かで好印象。
押し出しも十分なレザーです。
次はストームウェルト。
歩行中に雨水などが靴内部に浸水しないように
ウェルトに山状の盛り上がりが付けられています。
似たウェルトに『スプリットウェルト』がありますが
あちらは厚みのある革を半分に裂いていますので
全く違う仕様です。
こちら、ストームウェルトは土手をイメージしていただくと
よいと思います。
ダブルソール。
アウトソール(本底)とインソール(中底)の間にミッドソールを挟んだ、
二重構造のアウトソールのこと。
耐水性、耐久性に優れています。
ドッグテール。
踵の縫い割りが裂けないように補強する役割があります。
名前の由来は犬の尻尾。似ていませんか?
オールアラウンドグッドイヤー。
通常のグッドイヤーと違い、360°ウェルトが巻かれている仕様です。
先述のストームウェルトにも繋がりますが、360°ストームウェルトが巻かれていて
一層耐水性が増しています。
パイピング。
革の切り口を縁取ることで革のスレや摩耗を防いだり
革が伸びないようにする効果があります。
一手間かかった仕様です。
と、ディテールを紹介したところでスタイリング。
表情豊かなリブのタートルネックに
ライトグレーのフランネルのパンツを合わせ、
温かみのあるコーデュロイジャケットを合わせるまでがお約束。

ジャケットは80'sのイタリア製。
繊維メーカーを出自に持つブランドとあり柔らかい手触り。
ミントコンディションで即購入しました。
ややサイズが大きいですが、スポーツジャケットですので
そんなことはあまり気にしていません。
もう少し胸ポケットの位置が、とか
ボタンの位置が、とかありますがそこも含めて良いと思っています。
正統派英国ジャケットではなく3つボタン段返りでバランスも変わっていますが、
十分にスタイリングに馴染んでいると思います。
シューズは半年のエイジング。月2~3回程度着用。
履きジワも調子よく、ソールの返りもついてきて
歩きやすくなってきました。
無色クリームでケアしています。
たっぷりとご紹介したLoake
『Perth
』
。
サイズも揃っているうちにぜひ靴ワードローブにお迎えください。
-
color : BROWN
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size : 5.5-9.0 (UK)
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price : ¥57,200 (tax included)
■Loakeは
こちら
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■インポート特集は
こちら
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次回は『ソールの進化が止まらない!! マドラスメイドのVibramスニーカー』
2/11 (金) 公開予定
参考文献:MUUZEO SQUARE 用語解説「カントリーカーフ」, MUUZEO SQUARE 用語解説 「ウェルト」, MUUZEO SQUARE 用語解説 「ダブルソール」
文章:広告宣伝部T