2021/11/19
  • コラム

【コラム第2回】黒い革靴はいつからフォーマルになったのか

フォーマルな場には『黒の』革靴。

1足持っておくべき革靴は『黒の』ストレートチップ。
 

革靴を買う時、誰しもが聞いたフレーズだと思います。

素直に、『あ、そうなんだ』と黒の革靴を手に取る。

ワードローブに並ぶ黒の革靴。

ふと疑問に思ったことはありませんか?

どうして黒の革靴はフォーマルなのか。

黒の歴史は古代ローマに遡ります。

(もしかすると、もっと古い時代にもルーツがあるのかもしれません)

古代ローマでは喪服はすでに黒、聖職者の法衣も11世紀前後からは黒が主流。

いずれも「自然を超越した畏敬の象徴」として選択されたものだったと想像されます。

一方で、黒は「知識や才能の象徴」にもなります。

欧米の裁判官や大学の卒業式で見かける黒いローブ姿は、聖職者の装いを真似て当時登場したものです。

時代が進み、フランス革命前後に黒は『品格の高い色』と認識されます。

絶対王政下では名も無き市民の象徴だった黒が、革命を機に「主役の色」として一気に成り上がりました。

19世紀中盤に欧米で、警官のような職業の制靴に黒が採用され始めます。

黒は汚れが目立ちにくいといった実用的な面だけでなく、

集団の象徴になっていきます。
 

英国ヴィクトリア女王の行動が決定打ではないかとされています。

女王は夫の没後、黒い装いで長く喪に服しました。

その行動で黒は日常を超越する「厳粛」「哀悼」の色だと世間に改めて示され、

集団性・均一性とも結びつき、黒は『フォーマルな色』の地位を確かなものにしました。

黒の歴史に想いを馳せて、いま一度黒の革靴を履いてみてはいかがでしょうか。

今回のコラムは、最後にこちらの靴をご紹介しておしまいです。
 

縫い目が表に出ない無双縫いで仕上げられた1足。

足馴染みの良いマッケイ製法。

ビジネスシーンをイメージして、ネイビーのピンストライプのパンツに合わせてみました。

 

 

 

 
  • M441
  • color : BLACK
  • size : 24.5-27.0
  • price : ¥39,600 (tax included)


■ブラックフォーマルシューズ (メンズ)は こちら

■ブラックフォーマルシューズ (レディース)は こちら
 

次回は『老舗靴ブランド 若手社員が選ぶ 2021秋冬新作マストバイ』

11/26 (金) 公開予定


 

参考文献:雑誌『LAST』20号
文章:広告宣伝部T